家畜でペット ~今は昔~

幼いころ、愛犬の柴犬をブラッシングしていた。

大正生まれの祖父が、こいつはばさら美味か。
犬は赤白黒でうまかとやん。
祖父は柴犬を眺め口の中に溢れる唾液を飲み込んだ。
犬は保存食。某極探検隊もソリ犬食って到達したなぁ。

鶏小屋があった。物置を改造して父が作った小屋である。
小屋に入ってポテトチップスを鶏たちと一緒に食べるのは、
鶏と仲間意識が芽生え、孤独じゃなかった。
だが玉子が食べられなくなった。
共食いに近いものを感じたからである。

ペットショップでハムスターと出会った。
なんて可愛らしいイキモノだろう。
育てていたら、ハムスターは病気になった。
父は、買った方が安いと言った。ネズミだよ。ネズミ。

ネコを父が拾ってきた。家猫ではなく野猫である。
家にご飯を食べにくるだけで、猫は化け猫で祟ると迷信があった。
まぁ、家畜とペットと子供の境界が曖昧だったような気がする。
ピアノ弾かされていたのも猿回しだ。

で、きのした動物病院のホームページを見た。対象動物。
いぬ。ねこ。とり。うさぎ。ハムスター。爬虫類。

小郡市民のなんと慈しみの精神に溢れていることか。

未開の地で育った私だが、愛にはそう飢えていない。
愛されたいではなく、いのちをどう愛したか。

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